チャーリー・パーカー「Now's the time」ジャズ音楽の概念を変えたアーティストの名曲

2018/11/27

「Bird」の愛称で知られるCharlie Parker(チャーリー・パーカー)はジャズシーンにおける伝説的存在の一人。

同時代に活躍したDizzy Gillespie(ディジー・ガレスピー)と共にビバップ・スタイルをジャズのメインステージに押し上げた第一人者。

ジャズのミュージシャンはその演奏への期待値の高さがプレッシャーとなり、酒やドラッグに溺れるケースが多かったのだが、

Charlie Parkerも同様、晩年は麻薬と病気、アルコール依存症に犯されていた。

今回はその晩年の名作『Now's the time』をご紹介。

ジャズ不朽の名作『Now's the time』

アルバム『Now' the time』の表題曲。

『Now's the time』は1957年リリース。この時には既にビバップの旬と言える時期は過ぎていたが、自身の絶頂期を越えてその先に生まれたオリジナル曲は後世に残る名曲が収録されている。

 50年代に入ってからのパーカーはアルコールの飲み過ぎでステージを滅茶苦茶にしてしまうことも当たり前のようにやらかしていたらしく、その素行はすこぶる評判が悪かったそうな。

 しかし一度ハマったときは逆にとんでもなく神がかったプレイをすることでその人気は伝説的なものとなり、あまりにもやんちゃが過ぎる天才はその即興力においては誰しもから尊敬されていた。

 「Now's the Time」はパーカーが作曲した中でも特に有名なブルース調の1曲。

レコーディングの依頼を受けたその場で書ききったというこの曲にはビバップ的、チャーリーパーカー的と言えるようなフレーズが連続していて、この時代最高の演奏との呼び声も高く、まさに集大成というような作品になっている。

パーカーが牽引した音楽ジャンル:ビバップとは?

当局MY HOODとしては今まで全くジャズに興味のなかった人に新しい趣味としてジャズを知ってもらいたい、という思いが実は多分にある。

 これまでもヒップホップを中心に展開しているので、ここではライトに、「ビバップ」自体がそもそも何なのかを紹介。

Bebop1

 40年代に現れたビバップのスタイルは簡単に言えば、新しいジャズを求めたミュージシャン達がアドリブを楽器ごとに代わる代わる演奏するスタイルといったところ。

  これ以前のジャズはデューク・エリントン楽団やカウント・ベイシー楽団に代表される大人数構成のビッグバンド・ジャズが主流だった。

そんなジャズに飽きてきた若手達が自身の腕を競い合うようにして、セッションの中から生まれたのが、音数も多く、演奏の動きが早い「ビバップ」。

 この流れには41年以降の徴兵によって、ビッグバンドの人員不足が発生し、経費の面からも自然とジャズバンドシーン全体が少人数編成に移っていった、という背景も大きく関与している。

 そのビバップの代表的な存在がCharlie ParkerとDizzy Gillespie。彼らは盟友とも言える関係であり、多くのミュージシャンが彼らとセッションするためにニューヨークの52番街に集まったんだとか。

 

 そこでパーカーやガレスピーの弟子的存在として腕を上げたMiles Davis(マイルス・デイヴィス)がその後のジャズの歴史を大きく紡いでいく。

MilesDavis1

マイルス・デイヴィスについてはMagazineにてライトに紹介させて頂いているのでこちらも是非チェックして頂きたい。

ジャズ音楽の帝王「マイルス・デイヴィス」 皆さんご存知ですか?彼の定番の名曲と共に生い立ちをご紹介。

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Writer
taneda
25歳サラリーマン。
ダンスが趣味。
即興とは何かを考える内にjazzを好んで聞くようになった。
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国境を取っ払うスロヴァキアのMixcloud DJ、”Adam Kvasnica”

今回紹介するMixcloud DJはスロヴァキア出身の音楽愛好家Adam Kvasnica。

1991年生まれの彼は12歳でレコードと出会い、そこから音楽探求の旅は始まっていった。

ローカル・ラジオ・ステーションのディレクターも務める彼の音楽知識とジャンルは幅広く、Mixcloudで日々配信されていく彼の新しいMixに毎度驚かされ、気づけば自身のお気に入りは彼で埋まっていく。

そんな彼の配信するMixでは、Polish jazz、Yugoslavian funk、Estonian classical music、old school hip hop、French & Italian movie soundtracks、 library music、Brazilian samba、Cuban salsa と、かなり深い専門的な所まで聞くことができ、曲タイトルも記載してある上に全てVinylと、かなり質の高いMixを楽しむことが出来る。

そこで今回、数多ある彼の良質なMixの中からオススメのMixをいくつか紹介していきたいと思う。

”Hiphop..”

こちらはヒップホップのサンプリングを主にJazz、Soulに絞って作り上げられたMix。

メジャー所からコアな所までしっかり抑えているだけでなく、元ネタが終わるとすかさずサンプリングしているHiphopが流れてくる、とても親切なMixだ。

一曲目からThe Charmelsの「As long As I've Got you」に続きWu-tangの「Cream」が流れるのはとても熱い。

また、こちらのOld School Hip Hopも、タイトルだけに”繋ぎ”に力が注がれており、彼のDJとしての腕前が伺えるMixである。

”Neo Soul”

ネオソウルの代名詞Erykah Baduを例えたこちらのMixは、始まりから終わりまでグルーヴが途切れることなく、とにかく気持ちが良いMixにしあがっている。

”Chill Out”

ジャケットが印象的なこちらのMixは、Jazz、Hiphop、Beatsを織り交ぜ、スローの中にも起承転結がしっかり守られた、1人の時間にゆったり目を瞑って聞くのにもってこいの上品なMixとなっている。

Chill曲の定番Jazz Liberatorzの「Slow Down」といった文句なしの一曲で最後を締めくくる。

”Blues”

今回特におすすめなのがこちらの『This Is The Blues』。

Mixcloudの中では一番人気のあるBluesのMixに間違いないと言えるこちらは、Bluesに馴染みがない方には是非一度聞いて頂きたい。

選曲はBluesの中でも、とにかくクールなモノで揃えており、”Bluesかっこいい!”と率直に感じて頂けるのではないだろうか。

選曲、繋ぎ、共に100点と言える満足できるMixだ。

”Rare Groove”

こちらのMixを一言で表すと、【彼の本領発揮が見えるMix】。

ジャズ・トランペット奏者 ”日野皓正"や、名盤『横溝正史の世界 』で有名な
"THE MYSTERY KINDAICHI BAND"まで、とにかくコア、コア、コア。

スロヴァキアのレコード・コレクターという事を忘れさせるくらいのディグ力を感じるはずだ。

最後まで悔しいくらいかっこいい、彼の描くJapanese Grooveは是非この機会に体感して頂きたい。

"Jazz&Funk"

こちらは彼がロンドンに2日間訪れた際に、レコードショップを転々とし、ディグしまくった中から厳選して作られたVinyl Mix。

ロンドンの街並みをこのMixと共に歩き回りたい、個人的にオススメのファンキーMixだ。

最後は、深夜徘徊にはピッタリのMix『Midnight Traveler』。

全体的に70~80年代漂う曲調で統一されており、ドライブにはもってこいのワクワクさせてくれるMixである。

今一度、必要な時にこの記事を思い出し、シチュエーションに応じて是非使って頂きたい。そんな思いで、今回スロヴァキアのセレクターAdam Kvasnicaを通して、彼の様々なMixを紹介させて頂いた。音楽に国境を感じさせない彼のMixはこれからもチェックしていきたいと思う。

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盲目のアーティスト、スティービー・ワンダー。〜成功までの知られざる愚直な努力とこれまでの軌跡〜

「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第9位。

「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第15位。

音楽史を築き上げた最重要人物、Stevie Wonder(スティービー・ワンダー)。

stevie wonder

音楽の歴史に残る人物、スティービー・ワンダーと盲目。

産まれた頃からほぼ目が見えなく、厳しい家庭環境で産まれ育つ等、幼少期からのビハインドはかなり大きかった。

そんな彼だが、天から授かった物が1つあった、、

ずば抜けた音楽性に最初に目をつけたのは彼の母親である。

連れて行かれた先はオーディション会場。

名門モータウンのオーディションを見事に合格し、僅か12歳にしてデビューを果たす。

そして、翌年の63年にリリースしたアルバム『Recorded Live: The 12Year Old Genius』は、まさかのBillboard200で1位の大ヒットを記録、

また、同アルバムからシングルカットされた「Fingertips - Part 1 & 2」はBillboard Hot 100で1位の快挙。

このタイトルは、現在でも史上最年少の記録として語り継がれている。

しかし、その後の彼の音楽人生は過酷なものであった。

過酷な現実を突きつけられたアーティストの再起

ヒット曲に中々恵まれず、契約していたモータウンからは何度も解雇宣告があり、

経済面、精神面共に、かなりギリギリの所まで追い詰められていた。

そして驚くことに、

21歳で自身の権利を手にするまでの彼の週給は、たったの2ドル50セントだったという、、

もう後がない彼に再び光が当てられたのは1976年。

2枚組でリリースしたオリジナル・アルバム『Songs in the Key of Life』は、全米アルバムチャート14週1位の偉業を成し遂げ、

その年のグラミー賞の最優秀アルバム賞を受賞する。

自身の力で再び手に入れた栄光。

しかしそこには、想像を絶する彼の努力があった。

音楽には妥協無し!時代を超えて語り継がれる傑作曲はどう生まれたのか。

音楽には一切の妥協を許さず、作品の質にはかなり厳しい、徹底された完璧主義として有名な彼。


(以前紹介した"ファンクの帝王"、James Brownと共通点が多いように感じる)

http://myhood.jp/james-brown-stage/

これまでに作曲した楽曲の中で、お蔵入りとなった曲の数は、数千曲はくだらないという。

また、彼の人生を変える事となったアルバム『Songs in the Key of Life』の収録曲21曲は、74年~76年の2年間で作曲した約1000曲の中から選出したそうだ。

厳選に厳選を重ねた、彼の血と汗と涙が詰まった最高傑作『Songs in the Key of Life』。

まさに、今何かを成し遂げようとしている方に是非聞いて頂きたい。

また同アルバムに収録されている「Pastime Paradise(楽園の彼方へ)」は、

カリフォルニア、コンプトン出身のラッパーCoolioの「Gangsta's Paradise」(1995) でサンプリングされており、

95年のグラミー賞の舞台でCoolioとStevieは共演を果たしている。

Coolioの「Gangsta's Paradise」にも、彼の血と汗と涙が注ぎ込まれており、言わずと知れた名曲である。

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ドライブにおすすめの音楽を歌う。ラッパーと俳優、両面の顔を持つ男

ラッパーと俳優

ヒップホップドリームを存分に叶えた男の1人、Will Smith(ウィル・スミス)。

今となっては彼の名を知らない人などいない。と断言できる程、成功に成功を収めた人物。

自身は"ドル箱俳優"の肩書を持ち、同じ業界にいる息子、娘の2人の収入は合計900万ドル(日本円にして約7億円弱)と家族揃って億万長座の位置に君臨。

そんな彼が、実はラッパーThe Fresh Prince(ザ・フレッシュ・プリンス)でデビューしていたという事を知っていただろうか?

今回は、映画「インデペンデンス・デイ」に続く出世作で、俳優Will Smithの地位を確固たるものにした大娯楽作"Men In Black"のサントラから一曲、ドライブソングを紹介したい。

ドライブにおすすめの音楽を歌うウィル・スミス

PVでは、自慢のオープンカーが戦闘機にトランスフォームをしてニューヨークからマイアミまでドライブするという内容。

今ではこんな感じで最高だぜ!気持ちよくドライブしようぜ!

といったノリノリのサマーチューンである。

このテンションのドライブソングといえば最近リリースされた西海岸のゴージャスなドライブソング"Tints"が思い当たる。

Anderson Paakの傑作曲『Tints』から"現代社会の意味"を読み解く。隠し事はダメな事?

フックはシンガーでもあり女優のTichina Arnoldが担当。

彼女は映画「Bad Boys」でWillと共演しており、彼女の甘い歌声が夏の雰囲気を一層際立たせる。

サンプリング元の音楽はソウル!

サンプリング元は、アメリカのソウルシンガーAl Johnson(アル・ジョンソン)とアメリカの女性シンガーJean Carne(ジーン・カーン)による、言わずと知れた名曲「I'm back for more」(1980)

ブロックパーティーを彷彿とさせるリリック

そして、3バース目のラストを締めくくるフレーズ

"And "The Freaks Come Out at Night," right"

ここでの"The Freaks Come Out at Night"は81年にブルックリンで結成されたオールドスクールを代表するヒップホップトリオWhodiny(フーディニ)の名曲「The Freaks Come Out at Night」(1984)から引用している。

こちらもブロックパーティに今すぐ行きたくなるようなオールド全快の一曲なので是非。

同サウンドトラックの「Dah Dee Dah (Sexy Thing)」は、あのAlicia Keys(アリシア・キーズ)が初収録となった楽曲である。デビュー当時から色気全快の彼女の一曲もこれを機に感じてみてはいかがだろうか。

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