ブラジルのフィメール・ラッパー”Drik Barbosa”

2020.01.27

みなさんブラジルのラップ、気になったことありません?今回はブラジルのラップに触れてみようと思います。ブラジルといえば、どこか情熱的なイメージ、、ではラップシーンではどうなんでしょうか。今回は今ブラジルのヒップホップシーンのクィーン的存在となってるDrik Barbosaというアーティストを通じて、ブラジルのシーンを見ていきたいと思います。

まず、Drik Barbosaとは何者なのか。

本名アドリアナこと現25歳のDrik Barbosa。RAPとR&Bを綺麗に調合したシンガー・ソングライター。彼女の芽が出始めたのは2007年。「Batalha do Santa Cruz」で初めてラップと出会い、Flow MC、Amiri、Marcello Gugu、Projota、Dj Caiqueなどと同じステージに立つ。その後シングル「Pra eternizar」と「Não é mais você」をリリースし注目を浴び、2013年にエミシーダの招待を受けて、「The Boy and the World」で映画のトラックを彼女とコラボレーションする名誉を勝ち取る。この映画はオスカーノミネートされた映画であった為、彼女の名は着々と広まっていく。サンパウロのアンダーグラウンドのHipHopシーンの実力派ラッパーとして2011年にブラジルのアンダーグラウンド・シーンに大きな風を吹き込んだEmicidaの影響は大きく、絶頂の人気中であった彼女が当時リリースしたアルバム「About Children、Hips、Nightmares and Homework」ではラップの女性部隊を代表する曲「Mandume」にもDrikは参加し、絶大な支持を集める。

「Mandume」

こちらは2019年にEmicidaとDrickがフューチャリングした新曲「Mil Coisas part. Drik Barbosa」となっている。


ブラジル、フィメールラッパーの象徴として

また、2016年はDrikにとって多くの功績の年であり、7人の女性(DJ、歌手、Mc's)をステージに集めるプロジェクト「Rhymes&Melodies」に参加したことで他の州での活動がはじまり、ブラジル全土に彼女のは伝播。そして、2018年にはブラジルのフィメール・ラッパーとしての象徴なり、カロルコンカとグロリアグルーヴをフィーチャーした新しいシングル「Quem tem joga」をリリース。

「Quem tem joga」

この歌には、Drikと実の姉妹であるMirella Barbosaが特別に参加した面白い作品であり、リオデジャネイロのスラムパーティーの特徴的なサウンドである150 bpmのファンクビートのリファレンスを取り込んでいる。Drik はこの作に対して、”この歌は美学の観点からの女性のエンパワーメント、特に黒人女性の観点から、女性が自分の体をコントロールすることに関するものだ”と言っている。また、”アルバムの最初のシングルがどうなるかを考えました。私たちの体について話し、ファンクを身体表現の形として使いたかったのです。だから、私はラップとファンクを組み合わせ、それぞれのリズムの特性を組み合わせて、思考の自由、私たちが本当の自分であることの自由を祝うことに決めました。”と、この作品に込められた深い思いを語っている。このビデオでは、ダンサーのダルリタ・アルビーノ、ガブ・カボ・ヴェルデ、アライン・アフロブレイクのダンスと身体表現も含まれており、作品を通して女性のアイデンティティに関連した大きな抗議とエンパワーメントの形を社会に伝えている意味深い作品となっている。今後さらにブラジルのアンダーグラウンドシーンの重要人物となってくるだろうDrik Barbosaの存在は、ブラジルのルーツと現在のヒップホップシーンを読み解いていくには必要不可欠の存在となってくるであろう。

Writer / g.g

we are one. peace.