Jay Alpha、悪夢を綴った日記から生まれた傑作アルバム『On a Diff [type] Level 』

2019.12.25

今回紹介するアーティストは、ブルックリンに拠点を置く94年産まれのプロデューサーJay Alpha(ジェイ・アルファ)。ここ数年でNYを始め、かなり注目を集めている若手だ。彼の魅力を一言で表すとすれば、「一貫性」

自身が本物のミュージシャンであるには?

という自問自答を常に繰り返し、彼の中心の幹を太くしてきたという。その音楽、ヒップホップへの愛は他の若手と比べればけた違い。J DillaMadlibに深く影響を受けており、心に刻まれた彼らの背中を未だ追い続ける。今のシーンでは珍しい、典型的なアナログ派の若手Jay Alpha、今後間違いなく広く耳にする名前となることは間違いないだろう。

プロデューサー"Jay Alpha"が生まれるまで

漫画とゲーム愛好家でもある彼は、2010年に楽曲制作の情熱が湧き出し、高校2年の時に父から買ってもらったVirtual DJコントローラーで自身のビートメイキングの可能性を最大限に見出し、そのプログラムや機能性にものめりこんだそうだ。そして本格的に、Abletonや様々な音楽ソフトウェアを開拓していき、最上位のソフトウェアが提供する無限の機能を堪能した後、ジェイは過去の音楽機器を探求する好奇心から、打ち込みへと移行。彼の伝説とも言えるJ Dilla、Pete Rock、Madlibが彼の好奇心を常に駆り立て、本格的にビートメイクで食っていく事を決意。”ただの趣味ではなく、本物のミュージシャンとして認知されるために、どんな状況であろうと、お金を全て音楽制作につぎ込んだ。”と彼語っている。

伝説を追う姿勢はさらに前のめりとなり、彼らの創造的なプロセスについて知りたい欲求が爆発。彼の楽曲制作を突き動かすのはいつも自身の内から湧き出るこの言葉。”レジェンドのドープビートはどのように作られているんだろう。”現代の便利なツールがない彼らの時代でのサンプリング時間は8~9秒。その限られた制限でいかにしてドープなビートを作る事ができるか。。彼の楽曲制作への壮大な挑戦がそれを考え始めてからじわじわと始まっていったと彼は言う。そして、現代の技術の利便性なしに同じ決意と献身をどのように示すことができるのだろうという挑戦を前に多くの時間を自問自答に費やした。”90年代に戻ったらどうなる?私はまだこれをしているだろうか?”彼はこの言葉を常に言い聞かし、自身の核を大きくしていく。

世界的ヒットアルバム『On a Diff [type] Level』誕生秘話

彼を世界中に認知させた2017年にリリースしたアルバム『On a Diff [type] Level』それまでにも、Bandcamp、Soundcloudを通して彼の音楽を称賛しファンは増え続けてはいたが、このアルバムリリースが決めてとなったと言う。このアルバムは彼が突如襲われた、眼科の病がきっかけでつくられたと言います。手術を受けている間、手術を受けていたのと同じ目を通して外を見る必要がありました。」集中的な眼科手術が不安を引き起こすほどではないかのように、ジェイは手術中に視力のいくつかの驚くべき変化を体験。”それは白で、それから黒に変わり、そしてすべての色が通り抜けた””私は怖くて、頭の後ろにパチパチと音がするのを見ました。”などなど、、彼が見たもの感じたものは想像を絶するものであったことが伝わる。手術は成功したものの、その後見る悪夢との闘いが彼を待ちわびていました。その宇宙的、SF的悪夢の日々から抜け出す為に、その夢を日記に綴りました。その日記が完成した時、彼の傑作アルバム『On a Diff [type] Level』が同時に完成したと言います。そんな彼の宇宙をこの機会に是非一度聞いてみてはいかがだろうか。


Writer / g.g

we are one. peace.