The Notorious B.I.Gの代表曲 "Juicy"。その背景とサンプリング元
2018.10.31

レジェンド・ラッパー The Notorious B.I.G(通称biggie)の代表曲でもありデビューシングル曲の"Juicy"!
ヒップホップで成り上がりを果たし、リッチな生活を手に入れた、まさに「HIPHOP DREAM」を成し遂げた男の現在を、過去の過酷だった自身の境遇を回想しながら語っていくという、彼の人生が詰め込まれた一曲。デビューアルバム"Ready to die"から初シングルにしながらBillbordHot100Hitsで27位(1994年)の快挙。プロモーションビデオには当時22歳とは思えない彼の貫禄ある生き様、その中にある暖かさが見受けられる。"It was all a dream ! I used to read Word Up magazine..."出だしからパンチの効いたVerce、mellowなコーラスと彼のユーモア且つ力強いリリックが見事に調和した最高の一曲です。
意外と知られていない"Juicy"の本当のサンプリング元
"Juicy"のサンプリングネタは?と聞かれると、Mtume(エムトゥーメイ)の"Juicy fruit"と答える方が多いと思います。Mtumeは、元々は「Miles Davis」のバンドに参加していた「James Mtume」を中心に70年代後半から80年代に活動していたP-Funk寄りのアメリカのバンドグループで、アルバム"Juicy Fruit"(1983年)がヒットしました。その中の彼らの一番の人気曲が "Juicy Fruit"
まさにbiggieの"Juicy"のサンプリングネタと言えますね。ところが、"Juicy"の本当のサンプリング元はというと、NY出身、ハウス界のレジェンドDJ、「Tony Humphries」プロデュースの"Juicy Fruit(Fruity instrumental remix)"の方が正解と言えます。聞き比べると、「まぁ確かに~」くらいの差ですが、remixの2:04くらいから聞けば"Juicy"で使われているのはこっちだと分かると思います。とても気持ちがいい、個人的に大好きなinstの一つです。
"Juicy"にまつわるエピソードといえば、"Juicy"をプロデュースした「Puff Daddy」が、当時「Pete Rock」の家を訪問した際にRockが制作していたオリジナルのビートのアイデアを盗み、リリースしたのではないか。という事がRockの訴えから浮上してきた事がありましたね。
オリジナルがどちらかは分かりませんが、"Juicy (Pete Rock version)"も抜群にかっこいいのは確かです。

Writer / g.g
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