MC/Rap
2018.10.31

MC / ラップ とは?
これを聞いて思い浮かぶのが”ヒップホップの四大要素の一つ”という事。
特に日本ではヒップホップと聞いて一番初めに連想するものがラップだと言う人は多いだろう。
単純な話をするのであれば、MC=ラッパー、ラップを音源に吹き込む人ということになる。
ではなぜラッパー、ラップをしている人に対してMCという言葉が当てられるようになったのか?
MCとは、広義においてはイベントやパフォーマンスの進行を行うホストのことだ。
TVでやっているバラエティ番組の司会者が「MC」と呼ばれるように、パフォーマーを発表したり、聴衆に話しかけることで楽しませ、イベントを動かす案内人としての役割だ。
これはもちろん一般的な定義だが、ヒップホップでいうところのMCと全く違う意味なのかと言うとそうでもない。
ヒップホップの歴史においても黎明期には、パーティーの盛り上げ役、進行役がMCの役割であり、後にラップを得意とするMCが現れたことから本来の「Master of ceremonies」としてのMCに「Microphone controller」というような意味が後付け的に加えられた。
現在のヒップホップにおいては、MCはラッパー自体を指す意味で使われているが、ヒップホップシーンを熟知しているMCにとっては「ラッパー」と括られることに抵抗がある者も多い。
その意味においてはあくまで、ヒップホップカルチャーではリリックや言葉選びなど、マイクを通じたスキルを持って人々を惹きつけることのできる人間のことを指す言葉がMCだと言える。
これを象徴するようにKRS-OneやDJ premierといったヒップホップシーンを率いてきた大御所達は、最初のMCと呼べる存在はJames Brownなのだと語る。
Funkの帝王James Brownが後世のヒップホップシーンに音楽的な影響を多分に残したことは間違いないが、MC James Brown、と言葉を続けることには違和感がある。
しかし、その立ち振る舞いや歌詞、動き全てをひっくるめたパフォーマンスを持ってして人々を魅了してきたという点を鑑みれば、最初にMCとしての原義を確立した一人であると言える。
ラップは紐解く4つの用語
では、ラップとは?
そのルーツはアフリカにさかのぼる。ヒップホップの音楽が生まれる何世紀も前に、西アフリカのギリシャ人はドラムといくつかの楽器を使い、リズムに乗せて物語を伝えていた。
これがラップ的な音楽の先駆けであり、Hip Hopがそのようなつながりを持っているという事実は、現代の多くの現代芸術家、学者によって認められている。
このように元々文化として存在していた詩や言葉遊びが、60~70年代にニューヨークのブロックパーティでDJがプレイするブレイクビーツに乗せられて、ヒップホップを構成する一部として浸透していった。
現代ではラップはヒップホップに限らず、様々な種類の音楽に使われる表現の手法として、ポピュラーな位置を占めるに至った。
このラップの技術はDJバトルやダンスバトルと同様、MCバトルと呼ばれる競争の中で磨かれ続け、今も尚新しいラップのスタイルは生まれ続けている。
音源としてもfunk、jazz、bluesのような黒人音楽をルーツとするもの以外にも多くの引用により実験が行われ続け、ラップという音楽表現は深みを増す一方だ。
ラップの中身を紐解くに当たって特によく用いられる表現が、Flow(フロウ)、Rhyme(ライム)、Rhythm(リズム)といったものだ。
どれも抽象性の高い表現、尺度であり、人によって解釈は別れるがそこがまたヒップホップカルチャーの面白いところだ。

Writer / MY HOOD
MusicTripMedia