"DJ"という文化はいつどこで生まれたのか?その意味を細かくご紹介。
2018.11.04

音楽が好きな方、特にヒップホップが好きな方には馴染みのあるDJという存在。このDJという文化はどこから生まれたのでしょうか。今回はDJの由来についてご紹介します。
DJにもいろいろな種類があります
DJと聞いてどんなDJを想像しますか?代表的なもので言えば、フェスやクラブでプレイするDJもいれば、アーティストのバックDJ、スクラッチなど技術を競うバトルDJなどもあります。最近ではアニソンやJ-POPイベント専門のDJも登場しています。こうして多様化しているDJの由来は何なのでしょうか。
DJの語源と意味
DJの語源になっているのは、ラジオのディスクジョッキー「DJ」が始まりで、音楽をかける人のことを指していました。1969年には2台のターンテーブルを使って、曲と曲を途切れさせずにつなげるミックスをニューヨークのフランシス・グラッソというDJが成功させます。このフランシスが現在用いられる「DJ」の元祖と言えます。
以下の映像はフランシス・グラッソではありませんが、リール状のテープを使ってDJをしてしまう猛者もいました。
ヒップホップの4大要素であもあるDJの歴史は?
ヒップホップの4大要素にも含まれるDJ。ヒップホップ文化のなかでMC、ブレイクダンス、グラフィティーと並びDJも重要な要素です。ヒップホップ音楽が誕生した1970年代、まだHIPHOPという言葉すら存在していませんでした。ニューヨークのサウスブロンクスで生まれたヒップホップ文化、クールハークなどのヒップホップの創始者がマンションや空き地でパーティーを行ったことがきっかけでした。ターンテーブルを外に持ち出し、音楽をかけパーティーを行い、多くのブレイクダンサーや音楽好きの若者が集まったそうです。
黒人の怒りが芸術へ向いた瞬間
70年代当時のニューヨークはストリートギャングやドラックが横行し、黒人や貧困地区に住む人々への差別があった時代でした。そんな環境の中、ヒップホップという文化が生まれたことにより、行き場のなかった若者たちの怒りは犯罪やドラッグではなく、音楽やアートに注がれることになり、DJもそれに合わせてサウスブロンクスから世界へと広まっていきました。
当時は衝撃だったDJが開発したスクラッチ
DJがレコードを前後にこすって音を出す”スクラッチ”と呼ばれる技法。今では当たり前ですが、当時は画期的であり多くの若者に衝撃を与えました。1980年代初期に誕生したと言われています。
JAZZ界の人気ピアニスト、ハービーハンコックの"Rockit"でスクラッチをした曲がこちら。
「元ある曲を使って新たな音楽を生み出す」という感覚、DJが生み出す独創的な音楽は人々に強烈なインパクトを与え、HIPHOPシーンの発展へと繋がっていきます。
スキルを競い合うDJの誕生
DJの技術の発展とともに、若いDJ達は研究を重ね新しい表現方法を獲得していきます。スクラッチ以外にもジャグリングやボディートリックと呼ばれる技が生まれました。ターンテーブルを楽器のように扱いパフォーマンスをするDJたちを「ターンテーブリスト」と呼ぶようにもなりました。
DMCと呼ばれる大会にも発展し、近年では日本人DJが世界一に輝いたことでも話題になりました。
ラジオDJと同じく発達したDJ。90年代以降、一気にその多様性の広がりを見せ、スキルを競うターンテーブリストや、パーティーでのパフォーマンスを行うクラブDJなど、進化を遂げていきます。
遊びや表現の種類を追求したからこそ生まれたDJ
いかがでしたでしょうか。もともとはニューヨークのサウスブロンクスの若者たちによる、音楽遊びと表現の追求から生まれたDJ。今や世界スタンダードの文化となりました。HIPHOPやクラブに馴染みのない方はこれを機に、HIPHOPの音楽も聴いてみてくださいね。
