ヒップホップは生音一番。ラキムが『When I B On Tha Mic』で伝えたかった事とは?

2018.11.05

ヒップホップ史上最も影響を及ぼしたラッパーの1人 "Rakim(ラキム)"

Rakim

ニューヨーク、ロングアイランド出身、Erick B & Rakimのユニットで1985年に活動を開始。

80年代半ばから90年代初期に盛んであった、俗に言う"ゴールデンエイジ・ヒップホップ"時期に活躍した黄金世代ラッパーの1人。

ジャズやファンクを取り入れたトラックを主とし、ジャズサックスからインスピレーションを受け、研究を重ねた末に生み出した彼独特のラップのフローは、当時のHiphopシーンに絶大な影響を与えた。

"俺がマイクを握るとき"

そんな彼のセカンドアルバム「The Master」(1999)から後にシングルカットされた『When I B On Tha Mic』を紹介したい。

『When I B On Tha Mic』は"When I B(be) on the Mic"の意味で、要約すると"俺がマイクを握るとき"のニュアンスとなる。

トラックはDJ Premierが担当。サンプリング元は60年代~70年代に活躍したシカゴ出身のR&Bボーカルグループ、

The Artisticsの『What the world needs now is love』。

DJ Premierの超越したサンプリングセンスが存分に伝わる。


東海岸のラッパー:ハードコア

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フックで繰り返し出てくるフレーズ


"Hardcore, real ill niggas"

(ハードコア、リアルで最高にイケてる奴ら)

ハードコアとはハードコア・ヒップホップの略で、80年代後半から90年代初めに東海岸で流行。Rakimの他にNotoriousB.I.G.Wu-tang ClanNasもこれに該当する。

また、同時期に西海岸で流行していたギャングスタ・ラップとほとんど同義語と言える。2PacN.W.Aなどが該当する。

ハードコア・ヒップホップの特徴は以下のようにまとめられる。

(音楽的特徴)

最小限のビートに、レコードからサンプリングされた痛烈なドラム音、アーバンジャズの音源や金管楽器からのサンプリング、1度聞くと忘れられない弦楽器やピアノ旋律などを特色としている。

(内容的特徴)

お祭り騒ぎや自慢話の題材を嫌い、リアルで冷血的な内容にフォーカスし、都市部の貧困、アルコール、薬物依存、犯罪、街に広がる暴力、ギャング抗争といった荒廃振りを反映するようなものを題材としている。

Rakimが『When I B On Tha Mic』で主張していることは、進化していくDJのスキル等は確かにリスペクトに値するが、ディープでビートの効いた生の音、要するにハードコアが一番イカしていないか?という事である。90年代後半から2000年に入り、商業的に変貌していくHiphopの流れを見つめなおした彼が、Hiphopの本質について今一度説いた作品と言えるだろう。


また、2018年現在で50歳になる現役の彼も是非チェックして頂きたい。


Writer / g.g

we are one. peace.