ディズニーとヒップホップの融合。20分のステージで世界に名を広めた"Tank and the Bangas"とは?

2018.11.11

"6000人もの音楽オーディションを勝ち抜き、一躍有名デビューを果たす"

tank and the Bangas

アメリカの公共ラジオ放送局NPR(National Public Radio)の音楽部門であるNPR Music。その小さな事務所のオフィスデスクの横でひっそりと開催されているコンサート Tiny Desk Concert(タイニー・デスク・コンサート)。超大物から無名の新人アーティストまで出演する今話題のステージに、6000人のオーディションを勝ち抜き、20分のライヴで世界に名を広めたニューオリンズ出身のグループ"Tank and the Bangas"(タンク・アンド・ザ・バンガーズ)が出現した。圧巻の歌唱力、ミュージカルのようなグルーヴ、そして見るものを笑顔にさせるパフォーマンス。2017年、突如現れた新人に、メディア・音楽業界が騒ぎ、あの大物歌手ノラ・ジョーンズもグループのファンを公言。また、彼女たちの審査員でもあった元THEESatisfaction(ジー・サティスファクション)のStasia “Stas” Irons(スタース)も彼女たちを大絶賛。今をときめくアーティストの仲間入りを果たす。


"まるでミュージカル!ヒップホップからスポークン・ワードまで操る実力派アーティスト"

tank and the bangas

2011年、ニューオリンズのオープンマイク・ショーで出会い、結成したTank and the Bangas。メンバーは以下の通りである。

・Tarriona "Tank" Ball (リードボーカル)

・Angelika "Jelly" Joseph (バックコーラス)

・Merell Burkett Jr. (キーボード)

・Norman Spence II (キーボード)

・Joshua Johnson (ドラム)

・Jonathan Johnson (ベース)

・Albert Allenback (サックス)

グループの音楽ジャンルはファンク、ソウルヒップホップ、ロック、ゴスペル、スポークン・ワードと幅広く、それらが融合した新しい形として世間から注目を浴びている。スポークン・ワードとは、歌詞、詩、物語を「歌う」というよりは「話す」という文学の芸術、または芸術的パフォーマンスである。スポークン・ワードのアーティストは詩人、ミュージシャンである事が多く、日本で言うところの佐野元春をイメージしてもらうと分かりやすいかと思う。

また、1980年代後半から1990年代初期に流行した、アーティストがキャバレー形式で喧嘩腰に身構える、「Poetry Slum(ポエトリー・スラム)」はリードボーカルの"Tank"が得意とする表現方法の一つである。過激な発言等が多い「Poetry Slum(ポエトリー・スラム)」は、これまでメジャーシーンやメディアで取り上げられることは少なく、今後このグループをきっかけに耳にすることは増えるだろう。人間の感情が言葉になって現れる「Poetry Slum(ポエトリー・スラム)」、これを機に是非感じていただきたい。


"独特な音楽スタイル:Soulful Disney(ソウルフル・ディズニー)"

tank and the banagas

ミュージカル風に展開していく彼女たちの音楽の根本には、ディズニー映画から受けた多大な影響があると"Tank"は述べており、自身たちの音楽スタイルを「Soulful Disney(ソウルフル・ディズニー)」と名付けている。(バックコーラスの"Jelly"が発明したそうだ)"子供のような感情"、"魔法のような感性"を抱きつつ、洗練されたブラックミュージックを用いて自身たちの「音楽」を表現する。その意味合いが「Soulful Disney(ソウルフル・ディズニー)」に込められているのではないだろうか。ここで、「Soulful Disney(ソウルフル・ディズニー)」が分かりやすく表現されている一曲を紹介したい。まるでディズニーのミュージカルを思い出す曲調となっている。


たった20分のステージで人生を変えることとなった"Tank and the Bangas"。独特の世界観、柔軟な音楽性、斬新なファッションスタイル、これらを兼ね備えたこのグループは、これからの音楽シーンに新たなムーヴメントを起こす重要な存在となりうるだろう。彼女たちのステージを日本で見れる日もそう遠くはなさそうだ。