まるでファミリー。ヒップホップ界の大御所とも言えるラップクルー
2018.11.14

リリックの意味から伝わる強烈に自らをレペゼンする1曲
Wu-Tang Clan(ウータン・クラン)は言わずと知れたヒップホップ界きっての超人気グループ。ニューヨーク湾内のスタテンアイランド出身の彼等はそれぞれがソロの活動も成功を収めており、時代を席巻するほどの人気者です。主要なメンバーとしては総帥と呼ばれるRZA、天才の異名を持つGZA、自身の名前がそのままデビューアルバムの収録曲になったMethod manなどが挙げられる。ラッパーとして挙げられるメンバーは10人ほどだが周辺の人物やプロデューサーなども含めてWu-Tang Clanとして名乗っており、総勢何人で活動しているのかは本人達も把握できているか怪しいのだとか。まずは熱狂的な人気を持ってして時代を代表するアルバムとなった、『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』から代表曲の一つである「Wu-Tang Clan Ain't Nuthin'Ta Fuck Wit」をご紹介。
怪しげで厳かなイントロから始まるこの一曲はビート自体は至ってシンプル。コーラスで繰り返されるタイトルの「Wu-Tang Clan Ain't Nuttin ta Fuck Wit!」は用は「俺らにゃ手出しすんなよ!」とかましていて、リリックにも自分達のスタイルが最強で、誰も敵いやしないというメッセージを直接的に叩き込んでいます。Wu-Tang Clanの楽曲の多くはシンプルなサンプリングで構成されていて、それだけストレートなヒップホップサウンドとその個々人のカリスマ性が如何なく発揮されているのでしょう。ちなみにこの曲が収録された『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』には邦題として「燃えよ!ウータン!」という随分なタイトルが付けられています。
ウータン・クランを象徴するロゴデザインとその意味
Wu-tang Clanを象徴するのがこの頭文字の”W”をもじったこの蝙蝠のようなロゴですが、「剣と本、知性」のメッセージを込めてWの原型を残しながら作った結果こうなったんだとか。これは”ウータン”という言葉自体がカンフー映画「少林寺武者房」という作品に登場する武当派から取られていることに通じており、マーシャルアーツが彼らのルーツにあること示しているようですね。「燃えよウータン」というのも、その背景ありきで付けられた邦題なわけです。Wu-Tang Clanのライブでは両手を挙げて、このWのマークを親指を重ねて手の平を見せるようにして一体感を出します。
「Wu-Tang Clan Ain't Nuthin'Ta Fuck Wit」のイントロ部分なんかは特にみんなでこのポーズをしてWu-Tang Clanをお出迎えしたりします。
XJAPANでいうところの「Xポーズ」的なお決まりですね。ただし熱狂的なファンは曲がかかった時点でもう半狂乱状態だったりで全然これをやらずに騒ぎ狂っているなんて光景も当たり前だったり。
『燃えよウータン』25周年のパフォーマンス
2018年で『Enter the Wu-Tang (36 Chambers)』がリリースから25周年を迎えたことを記念し、各地でWu-Tang Clanのライブ活動が活発になっています。
動画では同アルバムの中でも人気No1の名曲、「C.R.E.A.M」を熱演。すっかりおっさんになった彼らですが、その骨太のHiphopはまだまだ健在。むしろ年を重ねた貫禄が彼らのキャラクターにさらに磨きをかけているようにすら感じられます!

Writer / Taneda
平成初頭生まれ会社員。 趣味のブレイクダンスをきっかけにブラックミュージックに没頭。 なんやかんやあってjazzに現在傾倒中。