ロイ・ハーグローヴ率いる”RH factor” が生み出す最高のグルーヴを是非。

2018.12.02

ロイ・ハーグローヴの名作

 Roy Hargrove(ロイ・ハーグローヴ)がプロデューサーを務めるRH factor から名作Hard Grooveをご紹介。アルバムのタイトルかつ1曲目のタイトルが”Hardgroove”だ。インスト曲も多く含まれているこのアルバムはジャンル的にはいわゆるソウル/R&B色が強め。アルバムの別の曲では当時のソウルミュージック界のスター的存在のエリカ・バドゥ、ディアンジェロも参加している。

ネオ・ソウルのムーブメントを作った「ソウルクエリアンズ」

このHard Grooveに関わっているメンバーは90年代後半〜00年代前半のいわゆるネオ・ソウルの一時代を築き上げたメンバーがずらりと並ぶ。The Rootsのクエストラブや、"Braun suger"で一躍ソウルシーンを登りつめたディアンジェロに端を発するこのメンツはソウルクエリアンズと呼ばれる当時のブラックミュージックを牽引した最高の集団。
本作のプロデューサーのロイ・ハーグローヴも本作以前に数々のソウルクエリアンズの作品で活躍。ディアンジェロの”Voodoo”、エリカ・バドゥの”Mama's Gun”やコモンの"Like Water For Chocolate"など参加した作品はどれもネオ・ソウルを語る上で外せない名盤ばかりだ。収録曲としての"Hardgroove"はインスト曲。上記の3作品の全てにも参加しているピノ・パラディーノのベースがうねり、クエスト・ラブのドラムはJディラっぽくディレイがかって、怪しげながら心地良いハーグローヴのトランペットが小気味良く鳴り響いている。  
”グルーヴ”は多くの人間が言語に表そうとして未だに解釈が別れたりする、なかなかに小難しいワードだが、この”Hardgroove”の中では間違いなく彼等自身の持つグルーヴは確かな共通項を持って躍動している。
もちろんフュージョン的な観点からこれまでにも、R&Bやソウルミュージックとジャズサウンドの接近というものは何度も試みられてきたものだが、完全に個人的な主観で言うならば、この曲は圧倒的に格好良いまま、そのクロスオーヴァーが行われているというところがポイントだ。

ロイ・ハーグローヴの音楽性と手腕

 実験的な音楽を実験のまま終わらせず、現在においてもクールで格好良い音楽だと認識させるその手腕こそがロイ・ハーグローヴのプロデューサーとしての能力の高さであり、ソウルクエリアンズのもたらす一体感が作り上げたものだと言える。 是非当時のネオ・ソウル界隈のアーティスト達と合わせて聴いて頂きたい一枚だ。RH Factorとしてもこの後、2004年に"Strength"、2006年に"Distractions"と続けてアルバムを出しているのでそちらも要チェックだ。

Writer / Taneda

平成初頭生まれ会社員。 趣味のブレイクダンスをきっかけにブラックミュージックに没頭。 なんやかんやあってjazzに現在傾倒中。