Common "ヒップホップとどこまでも真剣に向き合うラッパー"
2018.12.03

西のギャングスタラップとは対比のラップスタイル
シカゴ出身のCommon(コモン)のラップはクリーンかつ芸術的。 ヒップホップがギャングスタの物になっていく様を嘆いた「I Used to Love H.E.R」を発表し、Ice Cube(アイスキューブ)と対立したことからも、しばしばギャングスタラップとの対比として名前が上がるアーティストだ。
Commonの残した豪華ゲストアーティストとの名盤
映画「ターミネーター」に出演するなど俳優としての一面も持つCommon。 今回は彼のキャリアの中でも名盤の一つ、『Like Water for Chocolate』をご紹介。 Commonもまた2000年代前後のネオソウルブームを牽引したSoulquarians(ソウルクエリアンズ)の一員だった。 天才トラックメイカーのJ DillaやErykah Badu、Questlove等とお互いの作品での共演を重ね、ブラックミュージックシーンに多くの名作を残した。 2000年にリリースされた『Like Water for Chocolate』はSoulquariansの全盛期に発表された作品の内の一つ。 豪華なメンバーによるグルーヴ感満載の曲がずらりと並ぶ。
ラップという表現方法でラブソングを歌う
J Dillaがプロデュースした1曲であり、J Dillaが残した作品の中でも最も人気のある作品と言っても過言ではないのが、「The Light」。
Commonが描いたラブソングは上品かつ、どこまでも純粋。 There are times, when you'll need someoneI will be by your sideThere is a light, that shinesSpecial for you, and me ラップというスタイルでここまで気高く愛に対して表現されたリリックは確かにギャングスタラップのようなタイプのセンテンスとは対極にある。 MVには当時交際していたErykah Baduが出演しており、その関係性がアーティスティックで情熱的であったことが伺える。
ヒップホップシーンのレジェンドプロデューサーとの仕事
「The 6th sense」はこれまたヒップホップシーンにおける最高のプロデューサーと名高いDJ Premierが手掛けている。 ジャンルを超えて愛される魅力的な歌声で、代わりのいない存在として知られるBilalがコーラスを担当しており、これまた贅沢な1曲。 This is rap for real, something you feelRap for the black people これもまたCommonらしい1節。 ヒップホップとどこまでも真剣に向き合った男の渾身のリリックだ。

Writer / Taneda
平成初頭生まれ会社員。 趣味のブレイクダンスをきっかけにブラックミュージックに没頭。 なんやかんやあってjazzに現在傾倒中。