NasのUK盤『Illmatic』だと話題になった次世代の若手ラッパー "Coops"

2018.12.04

現在英国のヒップホップシーンを牽引する若手ラッパーCoops(クープス)。

UK盤"Illmatic"と称される彼のアルバム「Lost Soul」(2014)は、USの90sヒップホップを昇華したサンプリング・サウンドで、UKを中心に彼の名が広まるきっかけとなった。ここで、彼の90s好きがどっぷり伝わるイケてる一曲を紹介したい。


彼が一躍有名になったのは2015年に行われたChoice FM's Breakthrough Competitonでの優勝。ヨーロッパのアンダーグラウンドシーンに新たな風を吹き起こした。そして、彼が強く影響を受けているヒップホップレジェンド"Nas"にその才能を見いだされ、Nas全面サポートの元、初ライブをイギリスの大アリーナTheO2で実現させる。"次世代のNas"がUKにて誕生した瞬間であった。


ボブ・マーリーの楽曲からリリックにメッセージ性を


coops


彼は自身の事をラッパーであり、"ソーシャル コメンテイター"であると自覚している。彼のリリックは、過激な内容、世の中の真実、現代のヘッズに対してのメッセージが含まれている。もちろんヒップホップソルジャーであるNasの影響はあるのだが、彼はBob Marleyの楽曲から"伝える"という使命感を深く抱いたという。Bobからのメッセージを読み解き、その生き方を自身に取り入れ、真実を世の中に伝える使命感が芽生えたそうだ。彼の育った地区は、北ロンドンと南ロンドンの文化がMixし、様々な表現が許されている場所であったが、同時に人種差別もしっかりと残っている場所であった。そこで起きていた現状をしっかりと世に伝える必要性を感じ、曲にしたのがこちらの一曲目「Dream Bigga」。少々過激なリリックだが、黒さばっちりで90s好きにはたまらない一曲だ。


ラッパーCoopsにとってラップは自己分析のツール?

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2ndアルバム「God Complex」では、葛藤の末、前作と同様の"世の中の現状と自分達の世代"、"自分を疑う事と信じること"をテーマに掲げ、反響を及ぼした。人間は誰しも"正"の部分と"負"の部分の2つの要素を持つという二重性について、自身を通して深く研究し、その結果を楽曲に詰めたという。その意味で彼はスピリチュアル パーソンとも呼ばれており、自身では"セルフコメンテイター"と自覚している。彼にとってラップとは、"自分の事をより奥まで知ることが出来るツール"であり、彼がしている行動、伝えている内容は、今後人々が分かるようになる事である。と断言している。また、"自分がその時に誰であるかという真実を突き止める為に音楽に携わっている。それは終わりのない感覚的な流れである"と、セルフコメンテイターは告げる。

このような表現は、前回紹介したカリフォルニアの孤独ラッパーCaleborateも同様の発言をしている。同世代の若手ラッパーである彼ら二人だが、面白いことに共通点が1つあった。それは大の"クラシック"好きという事だ。Coopsもまた、幼き頃からJay-Z,Eminem,ATCQなどのクラシックを聴いて育ち、彼の地元ではクラシックを今でも重んじている風潮があるという。"今の商業的なヒップホップシーンには終わりが来る。量より質が重視される時代が到来している。"と、クラシックブームの予兆を促す発言を彼もしている。クラシック派の若手の動き、そしてヨーロッパのヒップホップシーンは今後是非注目していきたいムーブメントである。


大の大麻好きラッパー?チルな一服にはチルな一曲を

また彼は、大の大麻好きでもある。そんな彼の大麻ソングの中の一つ「Chillin'」を最後にお届けしたい。ジャジーなトラックにゆったりとしたフックが、あなたのチルな一時をより一層優雅なものにしてくれるだろう。


Writer / g.g

we are one. peace.