J.Dillaに影響を受けたジャズドラマーが奏でるヒップホップサウンドとは?

2018.12.12

デトロイトを活動のルーツに持つジャズドラマー、Karriem Riggins(カリーム・リギンス)はヒップホップの音楽のプロデューサーも務める異色の存在。ジャズのドラミングからの知見を感じさせつつも、彼が生み出すHip Hopのトラックはクラシックな表現が色濃く残されていて、往年の名作たる雰囲気を継承する。近年に発表された『Headnod Suite』も2017年のヒップホップシーンの流行など気にも留めない、素晴らしく洗練されたクラシカルなインスト作品だ。

ジャズの家庭で生まれ、ビートメイクからヒップホップ音楽の虜に

Karriem Rigginsはジャズミュージシャンの父を持ち、幼い頃からジャズに触れ合ってきたドラマー。ポール・マッカートニーやダイアナ・クラールのツアーにドラマーとして帯同するほど信頼されたドラムの技術があり、ビートメイクも高校生の時からずっとやり続けているという生粋のビートフリーキーっぷり。そんな彼が2017年に発表したのが、『Headed Suite』。


 

あの有名人気ラッパーCommonとの友情関係も

2012年に発表されたインスト中心の作品、『Alone Together』の続編的な立ち位置の作品だが、内容はよりヒップホップのコアなサウンドに近づいている。ジャズの要素を取り込みつつも、懐かしい匂いが鼻腔をくすぐる短編集のような味わい深いトラックが全29曲、約1時間に渡って繰り広げられる。三曲目「Yes Yes Y'all」に参加しているCommonとは90年代から楽曲製作を行ってきた仲で、スティービー・ワンダー等の豪華なゲストが集結したことで話題を呼んだCommonのアルバム『Black America Again』を丸ごとプロデュースしたのが、他でもないKarriem Rigginsだ。


『Headed Suite』、『Black America Again』両作品に通じて参加しているアーティストがソウルクエリアンズのオリジナルメンバーとして旧知のJames Poyser(ジェイムズ・ポイザー)。その他に、ロバート・グラスパーやデリック・ホッジといったジャンルレスに活動することを好むジャズ畑出身のメンツがKarriem Rigginsのサウンドメイクを支える。

影響を受けたのは天才ビートメイカー:J Dilla

また、過去に影響を受けてきたアーティストとしてこの辺りの世代ならばやはり名前が上がってくるのがJ Dilla


上記動画のインタビューにおいても、ビートメイクにおいてマンネリ化しそうなる瞬間を助けてくれたのがJ Dillaだと語っており、常に新しいインスピレーションを与え合っていたことが伝わってくる。『Headed Suite』にもJ Dillaの遺作とも呼べる作品『Donuts』に通じるサウンドメイクが感じられるし、J Dillaの魂を受け継ぐ者として語られることもしばしば。

ジャズとヒップホップ ジャンルの垣根を超えた音楽の夜明け

Karreim Riggnsは2018年、旧来から信頼し合っているメンツである、Robert Glasper、Commonと”August Greene”と名付けられたバンドを結成。


この辺りのメンツが登場するTiny Desk Concertはやっぱり外れがない。2018年最高傑作の呼び声も高い彼らのファーストアルバム『August Greene』から5曲を期待通りのクオリティでパフォーマンスしている。『Black Radio』以降のJazz・Hip Hop・R&Bが高次元で混ざり合ったもはやニュージャンルとも言える彼らの音楽性はどこまで高まって行くのか。皆さん各地、各ジャンルから引っ張りだこで大忙しだろうが継続的なプロジェクトになってくれることを切に願う。

Writer / Taneda

平成初頭生まれ会社員。 趣味のブレイクダンスをきっかけにブラックミュージックに没頭。 なんやかんやあってjazzに現在傾倒中。