哲学好き必見!Wu-tang Clanも絶賛するシカゴ出身の若手ラッパーが歌う人間の深層心理。

2018.12.13

Joey Bada$$も所属するCinematic Music Groupと契約しているシカゴを拠点とするラッパーMick Jenkins(ミック・ゼェンキンス)。同郷のChance The RapperSABANonameたちとフューチャリングを行い、地元シカゴを盛り上げているラッパーの1人。

1991年生まれの彼は、高校で法学の勉強を行い、裁判所のインターンに参加するなど、優秀な学生だった。(ちなみに、以前紹介したSABAも学生時代のGPAは3.5以上と、近頃の若手ラッパーは勤勉なようだ。)地元の大学まで進学した彼だが、父親の失業により大学を中退、大麻を吸いながらアルコールを摂取した状態で運転しているところを逮捕され、1か月間の刑務所生活を送ることに。母はネオソウル、父はゴスペル好きということもあり、幼いころから音楽に親しんでいた彼は、17歳の時にオープンマイクのイベントによく参加していた。大学時にMixtapeの制作を開始し、Dr.Dre考案のヘッドフォン"Beats"を賭けたラップ大会に参加したことにより、音楽制作の意欲を増す。在学中に5つのMixtapeを制作した。服役後にリリースしたMixtapeがレコードプロデューサーたちの注目を集め、リーダーであるSABAの推薦でシカゴを拠点とするヒップホップグループPibot Gangに参加。SABAとのコラボ「Heaux」が、2012年にSABAが発表したMixtape、「GETCOMFORTabl」に収録され、彼の名が次第に広まっていく。


一躍有名若手ラッパーとしてヒップホップシーン最前線に

同い年のChance The Rapperとフューチャリングした曲等を含む彼のMixtape「Tree&truth」(2013)は一気に話題となり、翌年に発表したMixtape「Water₍s₎」は5万ダウンロードを達成、彼の名を世に広め、同年ベテランのMethod Man、Redman等とツアーを成し遂げ、シーンの前線を走るアーティストの仲間入りを果たす。


また、彼は哲学的なアーティストとしても有名であり、彼のリリックは厳しい社会の心理、暴力と銃、シカゴの現状、そして愛や真実といった、かなり深い所を突く内容が多い。

哲学好きは必見のおすすめのMV。人間の深層心理を考えさせられる作品とは

そんな彼の楽曲の中から今回、2つの深いMVを紹介したい。


1つは「Water₍s₎」から『Jazz』MV中に出てくる”水”というものがお金、知識、音楽を表しているなど、解釈が様々されているこのMV、哲学好きにはたまらない一本だ。


2つ目はトロントに拠点を置くインストールメンタルバンド BadBadNotGoodとフューチャリングした作品「Drowing」。"水は人の心理に近い"という表現を多々する彼にとって、このMVではなにを意味しているのか。先日、Wu-tang ClanのメンバーGhostface Killahとフューチャーした2作目のシングル「Padded Locks」がリリースされた。ベテランと若手のクールな一曲。こちらも是非チェックして頂きたい。