白人として初めてヒップホップという黒人文化に挑戦し、トップに君臨するラッパーエミネムの生い立ち

2018.12.22

エミネムがヒップホップ、ラップにハマるきっかけになった曲

2009年の今日12月22日はEminem(エミネム)のアルバム『Relapse: Refill』がリリースされた日です。彼はアメリカ、ミズーリの出身で、白人として初めて、ヒップホップという黒人文化に入り込んだラッパーです。幼少期は幸せな子だったと周りから言われていますが、よく虐められていて、その時代を歌った曲も出ている程です。元々は物語に興味があり、漫画家になりたかったのだとか。Eminemが初めてヒップホップに触れたのは母親の兄がくれたBreaking'という映画のサウンドトラックの曲でした。それがIce-Tの「reckless」です。

あの有名プロデューサードクタードレも認めるラッパーエミネムの凄さ

当時は1984年、空前のヒップホップブームで、彼も自ずと高校の同級生とラップを始め、M&Mという名前を付けます。これが今のEminemというアーティスト名の元になるのです。練習を重ね、評判を上げたEminemはファーストアルバム『Infinite』をリリースしますが、これは失敗に終わります。当時、AZNasに影響を受けていた彼は、今の暴力的なスタイルを確立出来ていなくて、地元の仲間から"なんでロックン・ロールなんかやっているんだ?"と言われるほどでした。彼に転機が訪れるのは、ロサンゼルスで行われたラップバトルに参加した後です。この時に準優勝という結果を残し、参加していたレーベル会社のスタッフからDr.Dreに彼の楽曲が渡されます。Dreは当時を振り返り"デモやCDから何かを見つけた事は無く、初めての経験だった。白人ラッパーを雇うことに反対の声もあったが、俺は何色でも関係なく、彼と仕事がしたかった"

と語ります。その後は活躍を続け、2000年代ではアメリカで最も楽曲を売り上げたアーティストにもなります。今日はそんな彼のアルバム『Relapse: Refill』から50CentとDr.Dreも参加している「Crack A Bottle」を紹介。普段のEminemと比べると落ち着いた印象もありますが、Dreのプロデュースが彼の味をさらに引き立て、強く印象に残る一曲に仕上がっています。



Writer / Taneda

平成初頭生まれ会社員。 趣味のブレイクダンスをきっかけにブラックミュージックに没頭。 なんやかんやあってjazzに現在傾倒中。