ヴァイナル一筋。UKを代表する硬派なビートメイカー”Remulak”。
2019.01.22

UKのケンブリッジを拠点とするビートメイカー”Remulak(レミュラック)”。彼のサウンドはノスタルジーと近未来的な要素を上手に溶け合わし、ソウルやジャズでシネマティックなサウンドに描きあげるも、確かなヒップホップマナーに従った無骨なビートを軸とする。ジャンルは幅広く、チル、ジャジービートはもちろん、ダークサウンドからゴリゴリのブームバップまでと様々な表情で心を動かす。また、15年以上のキャリアで培った経験を活かし、様々なアーティストやテレビ、ラジオ等、幅広く楽曲提供を行い、UK屈指のプロデューサーの顔も持ち合わせる。そんな彼は、自身のアルバムを全てヴァイナルでリリースするといった強いこだわりを持つ硬派な人物としても有名である。
2015年にリリースした初のEP『Nightsession』では、Blueprint、Lewis Parker、Cappo、 Moka Only、Black Josh といった様々なラッパーを招き、一躍注目を集める存在へと躍り出た。
翌年には、友人のJoey Deezと共にレーベル”Village Live Record”を立ち上げ、同EPをヴァイナルリリース。レーベルは瞬く間にUKのHiphopレーベルを代表する存在へと成長する。
7インチ、シングルカットでリリースされたCappoとのコラボ「Karma」は、つい最近BBCのドキュメンタリー番組【The Fight Of My Life】にて、ボクシングのAnthony Joshuaに起用されている。
また、「Karma」のヴァイナルリリース後すぐに発表されたTriple DarknessのメンバーであるMelanin 9とのフューチャリング作品「Highlife」も前作と同様の高い評価を得ている。
現在の彼の地位が確かなモノとなったのは2018年。
全てを自身で手掛けたという、初のフルレングスLP『Earth』は、世界的に称賛の嵐を呼び、至る所でSold Outを起こした。
過去を反映した、美しくもノスタルジックな旅を連想させるこちらのアルバムは、聞き終えると、言葉にできない最高な満足感を得る事ができる傑作と言えるだろう。
『Earth』で受けた評価でさらなる音楽活動への意欲を掻き立てられたと語る彼は、昨年
自身が音楽制作を始めるきっかけとなったサンプラーMaschine MK1とDAWソフトウェアFruity Loopsのみで制作したと言うセカンドLP『One』を発表。こちらはヴァイナルのみに限らず、カセットでもリリースされ、決定的な一打を世界に放った。
今後、少しでも多くのリスナーの元に自身の楽曲が届くよう、より多くのアーティスト、カンパニー、メディアなどに楽曲を提供していきたいと語る彼。
現在のUKのヒップホップ・インストールメンタルの畑を確実に潤わし、肥やし、今のシーンにおいて重要な存在となった彼の今年の動きは、とても興味深い。

Writer / g.g
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