【心に届く音楽とは、、】Spotifyで525Kのファンを持つ西ラッパー”Sam Gouthro”。

2019.02.05

最高のチルタイムを演出するアーティストの存在

J DillaCommon、D'Angeloの3人が融合して生まれた、そんなスーパーフュージョンのような1人のアーティストが存在すると言ったらにわかに信じがたいだろう。しかし、場所はカリフォルニア・サンディエゴにて、Dillaのような磨きがかったジャジービート、Commonが放つメロディアスなフロー、D'Angeloの魅せるセンシュアルなボーカルの3要素が見事に合わさったと言える、”Sam Gouthro”という25歳のアーティストが潜んでいるのをご存知だろうか。日本で彼の存在を知る方はごく少数だと思うが、西海岸においては、彼の心地の良い音楽で夕暮れのチルタイムを楽しむ人々は数多存在するという。

音楽プロデューサー兼レコーディング・アーティストであるSam Gouthro。

ブーミングなドラムのキックと、際立つスネアからなるビートパターンで構成されるジャジーなリズム、キーボードなど多くの楽器で作り上げるうっとりしたメロディ、そしてその上に乗っかる、甘くソウルフルな歌声や、つい共感してしまうリリック。多くの才能が1つに凝縮した彼の楽曲は、人々の心を動かす何か特別な力を持っているようについ感じてしまう。サンディエゴの海沿いで友人とスケートを楽しむか、スタジオでレコーディングをしている日常を送っていると言う彼は、スローライフの中で音楽活動を楽しんでいるように見える。


そんな、彼を支持するファンの数はここ数年で急上昇しており、Spotifyにおける彼のファンの数はなんと525Kを超え、彼が世に認知されるきっかけとなった「Foreign」(2016)は、Spotifyの【Global Viral Chart50】で7位、【US Viral Chart50】で10位を記録している。


ここで注目すべき点は、Spotifyの【Viral Chart】というランキングは、最もストリーミング再生された曲をランク付けした【Top Chart】とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標であるという事。彼の楽曲がいかに世の人々に共感を呼ぶものであるかが見受けられる指標となる。そんな知る人ぞ知る、西海岸に潜む若き才能溢れるアーティスト”Sam Gouthro” の影を今回追ってみることにした。

ヒップホップとの出会いはビートメイクがきっかけ。J.Dillaに憧れて

カリフォルニア、サンディエゴで生まれ育った彼は、コロナド州のアートを学ぶ高校で音楽制作のノウハウを学び、16歳で楽曲制作を開始。”Hiphopと出会い、J.Dillaというアーティストを知り、人生が大きく変わった”と語る彼は、Dillaのパーカッシブなブームバップリズムとグルーヴィーなベースラインに心を奪われ、ビートメイキングに精を出す日々であったという。


音楽人生が大きく変化したの18歳、現在レコーディング・アーティストの顔を持つ彼だが、当時の彼には自身の想いを歌にして人に届けるなど全く頭になかったという。「周りの人がどう思っているか」を気にしすぎる内気な性格であったと語る彼は、自身のテリトリーから外に出る事を恐れていた。そんな彼を思ってか、父親から突如レコーディング機材を渡され、父の気持ちを組み取った彼は、新たな自己表現の1つとして自身の声を人々に届ける事を決意した。今の彼があるのは、そんな父から受けたたくさんのサポートのおかげだと彼は言う。そして誕生したのが、彼のファーストEP『Romantic Raps Vol.1』(2016)。Sam Gouthroという人物がいかに繊細で情緒溢れる人物かが見受けられる同作は、まさにタイトル通り”ロマンチック・ラップ”として大きな反響を呼んだのだ。


また、これまでに影響を受けたラッパーは、Dillaを初め、A Tribe Called QuestCommon、Slug [of Atmosphere]、 Blu、 J. Cole。シンガーは、D’Angelo、Marvin Gaye、John Mayer、Allen Stone。彼の楽曲を聞いた事がある方なら納得するだろうアーティストの面々だ。

共感を生む音楽のリリックはリスナーの心を掴む

Sam Gouthroというアーティストを紹介する上で欠かせないのは、なんといってもリスナーの心を掴むリリック。人間皆共通して持ち合わせる”情緒”に注意を払い、自身の実体験で感じた心の動きを元にペンを走らせ、リスナーの声を甘美な言葉で代弁する。


時には失恋、時には愛に満ちた物語をラッパー、シンガーとして語る彼だが、彼が経験した遠距離を元に作られた「Down For This」(2017)は、彼の楽曲の中でも極めつけのグルーヴィー・チューンと言えるだろう。R&B、ジャズヒップホップソウルの要素を上手く絡めたヴィンテージ感漂うトラックは、青春のワンシーンをノスタルジックに回想させ、地理的な関係から失った彼女との修復を切に願ったリリックと見事に絡みあう。彼と同じ境遇を体験した方なら、心の芯に届くこと間違いない一曲であろう。

心に届く音楽とは?

今後も自身のペースで、リスナーの声を世に届ける事に最善を尽くしていきたいと語る彼。自己の名声や数字に囚われる事無く、損得なしにリスナーとの関係性を築いていこうとする彼のスタンスは、現代シーンにおいてリスナー目線からは珍しく映り、結果として彼を支持するファン数がそれを示している。そしてそのマインドは、彼の人生を変えるきっかけともなったHiphopの根底にあるマインドとも共通しており、見失いがちなHiphopの大事なルーツを私自身Sam Gouthroというアーティストと出会い、再び思い出させてくれた。心に届く音楽とは、まさに彼のようなアーティストが作り上げる歌の事を言うのであろう。

 Thanks for the below Link (#SDLovesHipHop )

(#SDLovesHipHopとは、サンディエゴからLAと、西海岸全域のヒップホップ・ルーツや密なコミュニティを世に配信するメディア・サイトであり、彼らの動きが現代のヒップホップシーンや世の中になにかしらの形で役立つことを期待して、日々新たな西海岸の情報を私たちに届けてくれる。”MY HOOD”と同様にラブ&ピースを掲げるメディア・サイトである。)

http://sdloveshiphop.com/?p=1198

Writer / g.g

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