世界で評価され続ける日本のジャズヒップホップ”~Nujabes-Luv(sic)” 前篇~

2019.02.25

惜しまれつつこの世を去った日本人トラックメイカーNujabes。彼の代表的な曲のひとつに「Luv(sic)」シリーズがある。日本はもちろん世界で愛され続けるジャズヒップホップの名曲、Luv(sic)シリーズの歩みを今回紹介しようと思う。

日本の伝説的トラックメイカー Nujabes

Luv(sic.)シリーズは日本のトラックメイカーNujabesの作品。本名の瀬場 淳(せば・じゅん)を逆さから読んだNujabesを活動名としていた。1995年〜2010年にかけて東京・渋谷を拠点に活動。トラック制作や多くのMCとのコラボレーションで楽曲を発表。細部まで拘り抜いた神秘的な曲が人気となり、パリコレクションでのコムデギャルソンの楽曲担当、「サムライチャンプルー」への楽曲提供など幅広い活動を行うなか、2010年交通事故により逝去した。そのNujabesの作品の中でもひときわ異彩を放ったのが、MCであるShing02との六部作「Luv(sic.)」シリーズ。

音楽の女神へ宛てた手紙。Luv(sic)

Luv(sic)シリーズはNujabesのトラックにShing02がリリックを乗せて綴る六部からなる叙情詩。「出会い」と「別れ」を経てたどり着いた「再生」をテーマにしていると明かされている。オリジナルシリーズの中でリリースされた楽曲は以下の6曲。

1. Luv(sic)

2. Luv(sic) Part 2

3. Luv(sic) Part 3

4. Luv(sic) Part 4

5. Luv(sic) Part 5

6. Luv(sic) Grand Finale


2015年12月には六部作とリミックスを集めたLuv(sic) Hexalogy (CD)が発売された。

どこかもの悲しさのある1作目 Luv(sic.)

1作目となるLuv(sic)がリリースされたのは2001年。トラックもShing02によるラップもどこかもの悲しさを感じさせる1曲。歌詞のなかでは明示はされていないが、生と死、再生について歌われているような内容になっている。



”感覚を失った場所に生気を吹きこみ、すべての疑いの雲を吹き飛ばす

安全な拠り所と呼べる新しい地を探そう

今、それは遠くに感じても、時は近い

二人の想いが飛び立ち、大気を抜けたとき

純粋な音の波は、半永久に旅する

そして、そこで必ず君に会えるだろう!”

http://www.e22.com/shing02/lyrics/lx_lv_j.htmより

911直後にリリックが綴られたLuv(sic) Part2

Luv(sic) Part2 は2002年に初めてCDに収録された。Shing02がInstagramで「リリックの原稿は911直後に書いた」と明かしていて、歌詞の内容からも争いに関する表現が見て取れるだろう。



”僕が何を考えているかというと

沈みかけた船から、子供たちを救う方法

だから僕は歌う、決まり文句の口パクでなく

戦車やミサイル、銃を持った不良政治家共に対抗する

人類の家族の中では、色々な立場があるけど

ひとつになることの力を理解する時がようやく来た

すべての法則は太陽の下で等しい、そうありますように!”

http://www.e22.com/shing02/lyrics/lx_lv2_j.htmより

音楽についてLuv(sic) Part3

2014年にリリースされたLuv(sic) Part3 はヒップホップらしいビートは少し抑えれていて、リリックは音楽について触れられている。



”ぜんぶ、レジに返せば良い

また、缶カラから始めよう

小さく光る破片を集めよう

彗星のように来て去っていく瞬間を”

http://www.e22.com/shing02/lyrics/lx_lv3_j.htmより

まとめ

直接的な表現ではなくどこか叙情的に生と死、再生について書かれたLuv(sic)。Shing02の視点から切り取られたLuv(sic)の世界は、生きるものへの賛美と、いつか命が終わることへのもの悲しさを合わせ持っているようにも感じる。前半ではNujabesの逝去前までの3部作を紹介したが、後半では六部作の4~6を紹介する。後半編を是非お待ち頂きたい。

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Writer / NACCHAN