世界で評価され続ける日本のジャズヒップホップ”Nujabes-Luv(sic)”シリーズ - 後編

2019.02.27

日本人トラックメイカーNujabesの代表的な作品、「Luv(sic)」シリーズ。前回はNujabes逝去前の3作を紹介しました。今回はNujabesが旅立った後の4~6作目を紹介。

2010年 Nujabesの逝去。

2010年2月26日深夜、東京都港区で起きた交通事故により搬送、搬送先の病院で亡くなった。当時36歳という若さだったこともあり、世界中の多くのファン・アーティストから追悼のメッセージが送られました。


Nujabesの逝去後、初めての作品Luv(sic) Part4

Luv(sic) Part4 はNujabesが亡くなった後、2011年にリリースされた。管楽器をメインとした美しいトラックに合わせてShing02が月日の移ろいと、誰か(おそらく女神)との記憶について歌っている美しい1曲になっている。


”粉雪舞う一月

ハート温まる二月

いつもは人の太鼓でマーチはしないし

エイプリルフールに踊らされないけど

最良の人が六月の会で歌う

ジュリアス、アウグストゥスのような強い意志

ねえ、僕たちだけなんだ

新しい学期、九月の始まりに

想う、まだ覚えているのかって”

19歳の男の子を追悼するLuv(sic)Part5

Luv(sic) Part5は2012年にリリースされた。若干19歳にして喉の癌により他界したビートボクサー、ジェフ・レザレクシオンの追悼のために制作されたバージョン。Shing02とNujabesの間で次のようなやり取りがあったそうな

https://twitter.com/shing02/status/278585037258113024/

死と追悼をテーマにしたLuv(sic.) Part5。シリーズの中でもトラックが暗いイメージを与えるバージョンだが、リリックからは思い出を振り返り死を乗り越えようとする意志を感じる。


”ひとつの木が世紀の終わりまで生きようと

突然、誰かに摘まれてしまっても

命は芸術であり、全員が信じれる奇跡

あなたは美しく生きたんだと伝えたい”

http://www.e22.com/shing02/lyrics/lx_lv5_j.htmより

最終章 Grand Finale と Part6

六部作の完結編が2013年にリリースされたLuv(sic) Grand Finale とPart6 。そう、完結作は2つのバージョンがリリースされたのだ。Nujabesの携帯から見つかったトラックによるものが“Grand Finale”で、宇山寛人によるRemixが“Part6”とされている。

https://twitter.com/Shing02/status/11482336424/

Nujabesへ宛てたとも取れる生と死、再生について綴られたリリック。「6の後には7と8」という表現にもシリーズのファンには感慨深い一曲に仕上がっている。



6の後には7と8

真珠のゲートの暗証番号

天国は待ってくれるって言う

君は運命だと

劇のフィナーレ、友のために

天使が幕を下ろすのが見える

この地形へ

ワインは葡萄のスピリット

始めた事を終わらせよう、テープを切る

僕たちのレコードは回り続ける

http://www.e22.com/shing02/lyrics/lx_lv6_j.htmより

Part6以降も語り継がれる叙情詩

NujabesとShing02によるLuv(sic)シリーズはGrand Finale/Part6にて完結しているが、その後も数々のアーティスト・関係者によってリミックスが発表されている。いかにNujabesとその音楽が世界的に愛されているかが分かる動きだ。2018年2月にもNujabesの追悼イベントが行われ、愛され受け継がれていくLuv(sic)シリーズ。Shing02が歌った「6の後には7と8」は確かに実現している事を深く思う。2回にわたって紹介したLuv(sic)シリーズ。楽曲リリースの背景やリリックの意味を知るとさらに味わい深いものになったのではないだろうか。Nujabesが残した暖かな曲の数々を聴きながら、お気に入りのLuv(sic)シリーズ、リミックスシリーズを探してみてください。

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Writer / NACCHAN